ライブ講師®実践会 提供

ライブ講師®実践会とは?

第1章 活用編 この教科書の使い方 ~ライブ感あふれる研修、スピーチ、会議を実現しよう

■自信をもって「講師」の道を歩いて欲しい

 こんなシーンを想像して欲しい。

 A氏は、天才で、100万人に1人の頭脳を持っている。全人類にとって、これまでにない平和で幸せが実現する究極のアイデアを思いついた。ただ、残念ながらそれを引き継ぐ時間がない。なぜなら、思いついたのが本人が亡くなる1時間前だったからだ。

 B氏は、ごく普通の人である。自分自身では革新的なアイデアを生み出すことはなかった。しかし、素晴らしいアイデアを聞くと、それを自分なりに理解して、おしげもなく他の人に伝えていた。

 あなたは、どちらの人生を選ぶだろうか。
 ぼくは、迷わず、B氏になりたい。
 すばらしい講師というのは、B氏のような人をいうのではないかと思う。

 著名な大学教授の話が面白くない。
 トップの訓話が眠気を誘う。
 こうした、A氏タイプの人が、残念ながら未だに存在する。

 ぼくは、若い頃、コンサルタントの先輩からこんな話を聞いた。

「講師というのは、罪深い仕事だ。なぜなら、参加者の人生の貴重な時間を奪っているのだから」

 講師を続けている限り、この言葉を忘れない。

 

■オリジナルのコンテンツがなくても、講師になれる!

 世の中にある「講師養成セミナー」の宣伝文を読むと、「経験のない、あなたでも大丈夫!○○講師養成セミナーを受ければ、一躍、有名講師として活躍できます」といった類のコピーに出会う。

 オリジナルのコンテンツがなくても、講師になれるのだろうか?

「そんな訳ないだろう!」

 あなたは、そう思うかもしれない。
 確かに、宇宙の話は、宇宙飛行士が話すのが一番強力だ。イチローが、体験から得た人生訓話を話せば、大勢の人が集まるだろう。

 では、オリジナルの体験がなければ、講師になれないのだろうか。

 ぼく自身の体験から言えば、そんなことはない。
「なれる!」
「オリジナルのコンテンツがなくても、講師になれる可能性は大いにある!」である。

 ナポレオン・ヒルという人物をご存じだろうか。
 アメリカのバージニア州の生まれ、3代続く文盲で貧しい家系だったといわれている。1908年に、新聞記者として、鉄鋼王アンドリュー・カーネギーにインタビューをした際に「20年間無償で500名以上の成功者の研究をして、成功哲学を体系化してくれないか」と頼まれ、ヒルは「やらせてください」と即答したという。
 実際、20年かけて、約束通り1928年に『思考は現実化する』(Think and Grow Rich)を執筆し、それをもとにた自己啓発セミナーで大成功を収める。この話は、かなり美化されていると指摘を受けているが、大切なのは次の点だ。

 ナポレオン・ヒルは、自分の成功体験を広めているのではない!

 にもかかわらず、この本やセミナーに動機づけられた人々や、スキルをマスターして成功した人は大勢いるのだ。ぼくも、その一人だ。

 ナポレオン・ヒルは、数回の結婚、離婚を繰り返し、起業しては失敗し、うつにもなっている。成功哲学を広めて、お金が入ったら、世界初の「成功のための学校」を作ろうと考えていたが、浪費してしまい実現しなかったとも言われている。人間的には、どうかなと思えるウワサもたくさんある。
 でも、そんな彼でさえ、いや、だからこそ、オジリナルコンテンツではなく、他人の事例で成功したのだ。

 もう一度、戻って考えよう。
 オリジナルのコンテンツがなくても、講師になれるのだろうか?
 答は、イエスだ。

「ただし」と条件がつく。それは、

・他の人の知識、技術、経験をしっかりと受けとめることができる技術と人間性(INPUT能力)
・それを、自分なりに理解消化した上で、別の人にしっかりと伝えることのできる技術と人間性(OUTPUT能力)
をもっていることである。

 そう、対話の量(INPUT+OUTPUT)と生産性(OUTPUT/INPUT)が必要なのである。

 昔から「講釈師、見てきたような嘘をいい」と言われるが、講師にとっては褒め言葉だ。
 ライブメソッド®の「ライブ」とは、まさに、このことを指している。

 

■講師でなくても、ライブメソッド®は活用できる

 この教科書では、ぼく自身、30年間の経験をもとにした
「ライブメソッド®~人前で話す・教える技術」について、本音ベースでお伝えする。

ライブメソッド®(人前で話す・教える技術)とは・・・
ライブ感あふれる対話で「学びの場」をつくり、参加者の心を動かし、行動をうながす技術 である
 
 簡単に、内容を解説しておこう。

●ライブ感あふれる対話で「学びの場」をつくり
 何より「ライブ感」を大切にしたい。
 これは、集合研修か通信講座(VIDEO講座)か、顔をつけ合わせて実施する会議かバーチャル会議かといったような「形式」とは関係ない。
 集合研修でも、一方的に棒読みをする講師はいるし、VIDEO講座でも、ライブ感あふれる講義をする講師もいる。
 むしろ、つまらない講師の話を教室で聞くよりも、面白い講師のVIDEOの方がいい。
 いうまでもないが、予備校業界ではすでにそうなっている。ウワサによると、業界の風雲児Tスクールでは、VIDEO講座に変えたことで、それまでいた講師の数が数百分の1になったそうだ。経営としては秀逸だが、講師の立場からするとこんなに恐ろしいことはない。

 ライブ感が鍵を握る。

 VIDEO講座であっても、ライブ感がでるようにしたい。
 集合型研修や会議なら、なおさらだ。
 直接会うことで価値を生む、体験型の研修や丁々発止の会議でなければ、そもそも、集まる意味がなくなってしまうだろう。
 バーチャル技術が進化する中、会って話すことの価値が、ますます問われることになるだろう。

●参加者の心を動かし
 ライブメソッド®では、「受講生」や「お客様」と呼ばすに「参加者」と呼ぶ。
 その理由は、読んで字のごとく。
 「受け身」でいることを許さない。
 「お客様」扱いしない。
 傲慢な表現だ。しかし、ここでは、わかりやすくそう言っておく。

 研修でも、スピーチでも、会議でも、対話の場であれば、必ず「テーマ」がある。
 そのテーマに「参加」して欲しいから、「参加者」と呼んでいるのだ。

 そして、講師や主催者の立場としては、どんなテーマであっても「参加者の心を動かし、行動をうながす」ことに全力をつくす。

 知識や技術だけを伝えても、心が動かなかったら、人はすぐ忘れるからだ。
 あなた自身はどうだろうか。
 3日前に食べた食事のことは忘れていても、初恋の人とのはじめての食事や、海外旅行で体験した食事のことは、すぐ思い出せるだろう。
(むしろ、食事が喉に通らず、記憶にあるのはその場の雰囲気という方もいらっしゃるだろうが)
 研修、スピーチ、会議といった対話の場も同様だ。心が動くかどうかが分かれ道となる。

●行動をうながす
 そして、心が動いたら、行動につなげたい。
 このあたりが、「お客さん」として感動して、それで満足する「観劇」とは違うところだ。

 講演を聞いて、「目からうろこが落ちました」と話してくれた聞き手が、翌月、来てくれる。そのときには、また、うろこがついていて、満足して帰って行く。
 たしかに、このパターンは継続顧客になり、講師の安定収入につながるかもしれない。

 しかし、ライブメソッド®では、それよりも、参加者自身の具体的な行動をうながしたい。

 そのやり方はこうだ。

 デール・カーネギーの「人を動かす」にこんな文章がある。
 エマーソン親子が、子牛を小屋に入れようとしていた。息子が子牛を引っぱり、エマーソンが後から押したが、うまくいかない。二人は、自分たちの希望しか考えていなかったのだ。アイルランド生まれの女中は、常識をわきまえていた。彼女は、子牛が何を欲しがっているかを考え、自分の指を子牛の口に含ませ、それを吸わせながら、やさしく子牛を小屋の中へ導きいれた。

 まさに、このやり方だ。
 一人ひとりの心に火をつけて、自ら行動をおこすように「うながす」のだ。
 これは、「何がなんでもやりなさい。さもないと・・・」と脅迫するのとは違う。
 「自発的にやりなさい」と放置しているだけでもない。
 ライブメソッド®では、参加者自身の心に訴え、自らが行動をおこしたくなるように「うながす」ことに注力する。

ライブメソッド®(人前で話す・教える技術)とは・・・
ライブ感あふれる対話で「学びの場」をつくり、参加者の心を動かし、行動をうながす技術 である
 

 いかがだろうか。
 こうしてみると、ライブメソッド®は、必ずしも、講師だけのものではない。

●会議を効果的に進めたいファシリテーター
●部下の自発性を引き出したいリーダー
●交渉の場を、ウィンウインの関係で築き上げたいネゴシエーター
●消費者の本音を引き出したいインタビュアー
●納得して商品を購入してもらいたい営業マン
などなど。

 参加者に具体的な行動をとってもらいたいビジネスパーソンだったら、必須のスキルだ。

 さらにいえば、親子関係や家族や地域の問題、さまざまな、人間関係においても同じだ。
 実際、ぼくがコンサルタントとして30年続けてきた中には、ビジネスだけでなく、経営者のプライベートの問題も解決してきた事例がたくさんある。

 これから話していくライブメソッド®を、色々な場面で活用してくれたらうれしい。

→第2章 原則編 REDの原則と師弟共学の原則 ~実は一番大切な「心構え」の話
 

 

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