【書籍】ジョン・スノウとコレラの19世紀~統計学をリスペクト 2021 08/13 Updated 2021.11.23 2021 08/13 Published 2021.08.13 / Tera \ この記事を共有 / B! リンクをコピーする 【書籍】ジョン・スノウとコレラの19世紀~統計学をリスペクト Tera B! リンクをコピーする 1854 年のこと。 ロンドンのソーホー地区で8 月末に発生したコレラは、最初の3日間でブロード・ストリート周辺に127 人の死者を出した。 ある医者は、自分が調合した特別な消臭剤によってコレラは減らせると言った。 ある役人は、産業革命で急激に集まった労働者の衛生管理が問題だといい、汚物を取り除くことに注力した。 しかし、功を奏することはなく、一度目の流行で2万人、二度目の流行で、7万人が亡くなった。 大疫病に遭遇したジョン・スノウという外科医は、まったく別の方法をとった。 スノーは、地区住民の事情に詳しい副牧師ヘンリー・ホワイトヘッドと共に徹底した調査を行った。その際とった方法は、 「同じような状況下で、コレラにかかった人とかからなかった人の違いを比べる」 ことだった。 そのアプローチの結果、あることに気づく。 集団A 家屋の数 40046 コレラによる死亡 1263人 集団B 家屋の数 26107 コレラによる死亡 98人 この違いはなにか。 集団Aは、水道会社Aを利用し、集団Bは、水道会社Bを利用していた。 大疫病コレラをこれ以上拡大させないためには、水道会社Aの使用を即刻止めること。 解決策はシンプルだった。水道会社はテムズ川の下流から取水していたが、中流あたりでは、かの役人が、衛生管理の観点から、汚物をどんどん水洗いしていたのである。 その、30年後、ドイツの細菌学者ロベルト・コッホが、水中に生息するコレラ菌を発見する。 残念なことに、スノウの主張は「科学的でない」として学会や行政からは退けられたらしい。しかし、助言に従って水の使用をやめた町では、コロナが終息した。 これが、統計学、疫学の原点だそうです。 たしかに、コッホは素晴らしい。 しかし、スノウのようなアプローチに、ぼくは感動する。 ぼくたちは、今、こうした統計リテラシーをしっかりもっているのだろうか。 アマゾンはこちら