ウナギに悩まされたアリストテレス 動物ネタは「社会」(歴史)と「理科」(生物)をつなぐ 2019 01/16 Published 2019.01.16 / Tera \ この記事を共有 / B! リンクをコピーする ウナギに悩まされたアリストテレス 動物ネタは「社会」(歴史)と「理科」(... Tera B! リンクをコピーする アリストテレスは、ウナギに悩まされていたそうです。 科学的な解明を優先したアリストテレスは、レスボス島の研究所で魚を解剖し、ほとんどの魚の卵と精嚢を確認していた。 ところがである。 ウナギだけは、何回解剖しても、生殖器が見つけられない。 彼は、最後にこう、結論づけた。 ウナギは、卵から、あるいは、胎児として生まれてくるのではなく、 地球の胎内から生まれてくる。 現在、世界で獲れるウナギの7割を食べているのが日本人。 ニホンウナギは、絶滅危惧種に指定されています。 ウナギの生態は今でも謎が多く、「完全養殖」はなかなか難しい。 まず、産卵場所が長年、謎でした。 2009年になって、やっと、日本から2000km以上離れた、太平洋のマリアナ海溝だと特定しました。 深い海の奥底の藻に、米粒ほどもない卵を産み付ける。 アリストテレスがわからないのもムリはない。 ここで卵がふ化し、透明な仔魚(しぎょ)になります。 上の写真がそれですが、クラゲのようですね。 仔魚は太平洋を回遊して、稚魚(ちぎょ)「シラスウナギ」へと変態し、東アジア近海へと向かいます。体は透明です。 シラスウナギは川を遡上すると、腹が黄白色の「黄ウナギ」になります。 その後、川や湖で5~10年成長すると、からだ全体が黒ずみ、腹が銀色をした「銀ウナギ」に変わります。 これが、私たちが食べるおなじみのウナギです。これがゲットできれば「天然ウナギ」 私たちが食べなかったウナギは、成長して川を下り、太平洋を回遊して、再びマリアナ海域の産卵場所へ向かいます。 一方、シラスウナギの段階で捕獲して養殖にするのが、「養殖ウナギ」です。養殖して1年くらいで「銀ウナギ」になるそうです。 現在、天然ウナギが1%。養殖ウナギが99%。 ウナギは雌雄同体で育って、最終形態の「銀ウナギ」になって、オスメスに別れるらしい。 アリストテレスも、だからわからなかったのですね。