【書籍】エフェクチュエーション(吉田満梨 中村龍太)ダイヤモンド社~ベンチャー企業 2025 01/10 Updated 2025.01.11 2025 01/10 Published 2025.01.10 / Tera \ この記事を共有 / B! リンクをコピーする 【書籍】エフェクチュエーション(吉田満梨 中村龍太)ダイヤモンド社~ベン... Tera B! リンクをコピーする アマゾンはこちら エフェクチュエーション。このことば、ご存知ですか。 目次 1. 1.定義2. 2.手中の鳥の原則(Bird in Hand)3. 2. 許容可能な損失の原則(Affordable Loss)4. 3. クレイジーキルトの原則(Crazy-Quilt)5. 4. レモネードの原則(Lemonade)6. 5. 飛行機のパイロットの原則(Pilot-in-the-plane) 1.定義 エフェクチュエーション(effectuation)とは、「不確実性の高い状況下で意思決定を下すための思考様式や行動パターン」で、ざっくりいうと、あらかじめゴール(目標)を設定するのではなく、今ある手段や状況を活用しながら新たな可能性を見出していくというアプローチを体系化した理論です。 トライアンドエラー、やってみなはれ、といった感じに近いものです。 反対の考え方が、コーゼイション(causation)、 因果関係をもとに考え、ゴール(目標)を設定し、それに関係する効果的な手段を見いだし実行していく思考様式です。 行動しながら考えた方がいいのか、考えてから行動した方がいいのか、これは永遠のテーマですよね。 エフェクチュエーションを発見し、提唱したのは、現在米国のヴァージニア大学ダーデンスクールでアントレプレナーシップの教授を務める、経営学者のサラス・サラスバシー。 彼女は、カーネギーメロン大学の博士課程在学中に、熟達した起業家たちに対する意思決定実験を行いました。 そこで発見されたのが、起業家たちの意思決定における明確なパターンだったのです。 それが5つの原則。 「手中の鳥」の原則 「許容可能な損失」の原則 「レモネード」の原則 「クレイジーキルト」の原則 「飛行機のパイロット」の原則 この5つをあわせて、エフェクチュエーションと呼んでいます。 概要を解説すると、 2.手中の鳥の原則(Bird in Hand) 新しい方法ではなく既存の手段を用いて、新しい何かを生み出すといい。 この原則は、目標やプランによって手段を選択する目標設定型アプローチとは異なり、企業や組織がすでに保有している人材のスキルや技術力、ノウハウ、人脈などの手段を徹底的に活用しようというアプローチ。 優れた起業家は、既存の資源のわずか資源の中にも、可能性を見出し、ビジネスチャンスを生み出すことができるのだ。 2. 許容可能な損失の原則(Affordable Loss) 仮に損失が生じても致命的にはならないコストを予め設定する。撤退基準を決めておこうという考え方。従来のように、将来期待できる利益をベースに戦略を練るのではなく、どこまでの損失であれば許容できるのかを決めておき、それを上回らないように行動する。 優れた投資家は、はじめから巨額の投資を行うのではなく、リスクの小さな少額投資から始め、すぐに切り替えることができるような小さな失敗を重ねて学習することで次のプロセスへと進んでいく。 3. クレイジーキルトの原則(Crazy-Quilt) 形や柄の違う布を縫いつけて1枚の布を作るクレイジーキルトのように、顧客や競合他社、協力会社、従業員などのさまざまな繋がりをパートナーと捉えて、つどつど一体となってゴールを目指していくこと。優れた起業家は、競合でさえもアライアンス可能なパートナーと見なす。 あからじめ全体の絵を描いて、そのパーツを集めていく、ジグソーパズル発想とは反対の考え方。 4. レモネードの原則(Lemonade) アメリカのことわざに「When life gives you lemons, make lemonade.」というものがあり、これは「人生がレモン(苦いもの)を与えたときには、レモネードにすればいい」という意味だ。 苦いレモン(使い物にならないもの)であっても、見方を変えたり工夫を凝らせば、新たな価値をもつこことができるという考え方。失敗を成功に繋げる行動を重要視している。 5. 飛行機のパイロットの原則(Pilot-in-the-plane) これは、上記4つの原則を網羅した原則。状況に応じて臨機応変な行動をすることを推奨する。 数値をモニタリングしながらも、臨機応変な対応をするパイロットのように、不測の事態に備え、外部環境の変化に対して柔軟に行動することの重要性を説いている。