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カートフィッシャーが好きな理由 ダイナミックスキル理論は上下関係ではく拡がりとつながりを重視する

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公益財団法人 日本生産性本部 主席経営コンサルタント ライブ講師®実践会 代表 経営コンサルタントとして28年にわたり、上場企業から中堅企業まで約200社の経営コンサルティング、数万人の研修を実施。参加者自身の課題を題材に進める研修は楽しくて超実践的!リピート率は8割を超える。 2015年より「人前で教える技術」を磨きあう「ライブ講師®実践会」を主催。
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「能力不足」と言われると、カチンとくる?
それともこない?
「成長してないな」と感じると、残念な気持ちになる?
それてもならない?

そもそも「能力」とか「成長」とかって何なんだろう。

そう考えているときに出会って、納得したのが、こちら、
カートフィッシャーの「ダイナミックスキル理論」

ポイントは、能力を
●はしごモデル(階段状 ステップ)で考えず、
●ウエブモデル(ネットワーク)としてとらえているところ。

従来の発達理論は、発達を「はしご」に例えることが多い。フィッシャーは、これを、pre-analytic visionと呼び、まず疑うべきメタファーだと言う。

 

ウエブモデル

フィッシャーは、はしごに替えてウェブ(蜘蛛の巣、網の目)というメタファーを提唱している。
ウエブを構成する1つほとつの線は、特定の発達領域。
それらの線が伸びていくと、他の線と結びつき、より複雑で高度なスキルを発揮できるようになるというモデルである。

「紙の上に線を引ける」+「紙を切ることができる」→「工作ができる」

という感じか。

ウエブモデルだと、つくられるウエブの形は、生まれ育った環境や先天的な要因から、一人として同じ形になることはないという。どの線がよく伸びていて、どの線があまり伸びていないかは人によって様々なのだ。

この考え方っていいなと思う。

はしごモデルでは、基本的に発達という現象は「前進/上昇」していくものとして捉えられるが、ウェブモデルでは「広がり」として捉えられる。課題に応じて、発揮できるレベルの幅を増やしていくのが「成長」なのだ。

 

動的技術

ついでに、もう1つ。

「ダイナミックスキル」って、日本語にすれば「動的技術」
まず「技術」の方から。
ここでいう「スキル」は、日本語の「技術」より広い概念かもしれない。

スキルとは、
人間の内面的構造と、環境、状況、他者の存在などの文脈が一体となってつくり上げるシステムのことである。

スキルは、そのとき求められて具体的に発揮されている現象であり、同時に、それを可能にする内面的構造なのである。
「コンピテンシー」も似たような概念だよね。
従来の発達理論では、知識や能力といったものは、人間の内面に蓄積されていくものだと考えられていた。
その後、知識や能力は、文化や社会、環境などの文脈と相互作用しながら構成されていくと考える、いわゆる「社会構成主義的」な能力感が主流となった。

フィッシャーのスキルという概念も、まさに社会構成主義的です。
その上で、特徴的なのは「変動性」という概念を強調していることである。

スキルが発達するということは、高次のパフォーマンスを常に発揮し続けるということではない。
高次のパフォーマンスを発揮することが「できるよう」になるだけであり、実際に発揮されるパフォーマンスはその時々の文脈に応じて変動するという考え方である。

そりゃそうだよね。

今日のランチ何食べようかな?

と考える際に、毎回、哲学的なアプローチをする必然性はない。

 

オプティマル(optimal)と、ファンクショナル(functional)

オプティマルは最良の環境。ファンクショナルは機能的なこと。

わかりやすくいうと、
オプテイマル だれかに手伝ってもらえれば「できる」
ファンクショナル 1人で「できる」

人は、新しいことをマスターする際、両方を行き来しながら、1人でできるようになる。
「手取り足取り」から「自分で意識してできるようになり」、そして「自分で無意識でできるようになる」
これって、自転車に乗れるようになるプロセスですよね。

そして、いや~な話としては、

年齢を重ねるごとに、この2つのスキルレベルの差は広がっていくという現実。

 

スキルの発達 具体と抽象を行き来しよう

フィッシャーは、スキルの発達をこんな風に考えているらしい。

料理を例に取ると、
・具材を切るというスキル
・具材を焼いたり煮たりして火を通すというスキル
・味付けをするスキル
・盛り付けをするスキル
というのはそれぞれ独立したシンプルなスキル。
これらが結びつくと、
・料理を作るというスキルになる。

そして、これらを何種類か体験すると、

・複数の料理を作るスキル

が生まれる。

そうなると、さらに
・和食を作るスキル
・洋食を作るスキル
・中華を作るスキル
というように、抽象的なスキルを獲得する。

個々の具体的な要素から、一般化された法則を獲得していくのである。

 

ここまでは、既存の発達理論で説明されている内容とそう大差はない。

その上で、フィッシャーは、ミクロレベルの話もしている。

それは、

スキルは無数の変化する条件を経験するにつれて、安定的なパフォーマンスを発揮できるようになる

ということ。

場数を踏め。

当たり前かも知れないけれど、これは大事。

たとえば、餃子をつくるときに、肉を入れずに野菜だけでつくってみる。

すると、そのままでは美味しくない。

このように、未知の細かな状況の変化に直面すると、スキルは一時的にかなり低次のレベルまで退行する。
(フィッシャーのいう退行状態 Backward Transition)

でも、そこから、試行錯誤を繰り返す中で、やがて、美味しい「野菜餃子」ができるわけだ。

こうした「細かく変化した状況を経験する」ことで、安定的にパフォーマンスを発揮できるようになるというのである。

 

そこそこマスターしたら、次へ行け

そして、ここでまた、面白い事実がある。
それが、

「あるスキルレベルが機能レベルで安定的に発揮されるようになるのは、次の最適レベルが出現してからである」
(これを、フィッシャーは、Forward Consolidation 前進への地固めと呼んでいる)

そう。
「今の仕事が完璧に1人でできないと、次のレベルに行ってはいけない」という考え方は違うのだ。
ある程度までできるようになったら、完璧でなくても次のレベルに進め!

これは、正しかったんだ。

「プロフェッショナルとは、その分野で誰よりも失敗を重ねた人である」
まさにフィッシャーの理論はこの言葉を支持している。

 

カートフィッシャーの翻訳本は、ほとんどない。

そこで、やはり、こちら(↓)がおすすめです。

(書籍紹介)「成人発達理論による能力の成長」加藤 洋平(日本能率協会マネジメントセンター )ティール組織を理解するためにも

 

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