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核廃棄物処理上の受け入れの話~それをお金で買いますか(返報性のルール)

  
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核廃棄物処理上の受け入れの話~それをお金で買いますか(返報性のルール)

 これは、あのマイケルサンデルさんが「それをお金で買いますか」でとりあげているエピソードの1つです。
 1990年代初頭。スイスでは、放射性廃棄物貯蔵施設をどの地に建設するかをめぐって、国民投票が行われようとしていた。国民は、この問題について一家言を持ち合わせており、熱心に情報収集に努めていた。そんな中、ブルーノ・フライ(Bruno Frey)とフェリックス・オーバーホルツァー=ジー(Felix Oberholzer-Gee)の二人の社会科学者が、建設候補地の小さな村に訪問し、を一軒ずつ訪ねて回り、貯蔵施設を受け入れる気があるかどうかを尋ねた。

 その結果は驚くことに、回答者の51%が「イエス」(施設の受け入れに同意する)と答えたのであった。貯蔵施設の危険性やそれにともなう不動産価値が下落することを認識していたにもかかわらずである。
 放射性廃棄物が存在する以上は、貯蔵するための施設をどこかに建設せねばならない。それを、貯蔵施設を受け入れることは市民としての義務だ。「イエス」と答えた住民は、そのような思いに突き動かされていた。
 そこで、1つの前提を加えた上で、アンケートを行った。「貯蔵施設を受け入れるのと引き換えに、スイスの平均月給の約1.5倍に相当する補償金が毎年支払われるとしたら、貯蔵施設の受け入れに同意しますか?」。

 ところが、この問いに対して「イエス」と答えた人の割合は、わずか25%でしかなかったのだ。金銭的なインセンティブが付け加わった結果として、施設の受け入れに同意する人の割合が(50%から25%へと)半減することになった。

 この話を、どう解釈するかは自由です。
 1つ言えることは、「自分たちは、すでにその恩恵を受け入れいてるのだから、負担を受け入れるべきだ」という、人間の心です。
 これを、ロバート・B・チャルディーニは、「返報性」のルールと呼びました。
「何かしてもらったら、お返しをしなければいけない」という気持ちです。

 

 

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