「冒険の書」をめぐるドラマ。とても大好きなお話の1つです(2月10日) 2023 02/10 Updated 2023.02.09 2023 02/10 Published 2023.02.10 / Tera \ この記事を共有 / B! リンクをコピーする 「冒険の書」をめぐるドラマ。とても大好きなお話の1つです(2月10日) Tera B! リンクをコピーする ●今日の「クイズ」は・・・ 2月10日は、ドラゴンクエスト3が発売された日(1988年)です。 当時のゲームは、とりあえず終える(セーブする)のが大変でした。 どうしてかわかりますか? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●答え いちいち、その時点までのパスワードを設定して保存。 「冒険の書」という本に書き込む形式だったから。 そして、実は、このデータが壊れることあがる。 そんなとき、ドラクエ3では、 「お気の毒ですが冒険の書は消えてしまいました」と出て、リセットされてしまいました。 私も、体験しました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●このお話、どう「いかし」ますか? ここにドラマがあります。 数年前の、クリスマスのメルマガでご提供した話です。 こんなお話(出典不明)。 ある兄妹がいた。 3つ上の兄は、妹想いの優しい兄。 妹は、そんな兄とドラクエ3を一緒にやっていた。 実際は、見ていただけだったけど。 ドラクエ3は、去年のクリスマスプレゼント。2人は夢中になっていた。 勇者が兄で、僧侶が妹。 遊び人はペットの猫。 バランスの悪い3人パーティー。 でも兄は強かった。 苦労しながらコツコツ進めたドラクエ3。 とても面白かった。 砂漠でピラミッドがあった場所の敵。とても強くて大苦戦していたのを憶えている。 ある日、兄が友達と野球をしに行くとき、妹に言った。 『レベル上げだけやってていいよ。でも先には進めるなよ』 そして、その言葉が兄の最後の言葉になった。 不慮の事故。 葬儀の日、父は兄の大事にしてたものを棺おけに入れようとした。 妹は、泣くことさえできなかった。 お気に入りの服、グローブ、セイントクロス。そして、ドラクエ3。 でも、妹は言った。 「ドラクエ3は入れないで」 なぜなら、兄からレベル上げを頼まれていたから。 妹は、くる日もくる日も、時間を見つけては砂漠でレベルを上げた。言われたとおり、進まないけれど、強くする。 ドラクエ3の中には、兄が生きていた。 レベルが上がったら、兄がひょっこり帰ってくるのではないか、そんなことを思っていたのかも知れない。 やがて、兄はとても強くなった。強い魔法で、全部倒してしまうくらいになった。 そして、ちょうど翌年のクリスマス。 ドラクエ3の「冒険の書」が消えた。 「おきのどくですば、ぼうけんのしょはきえてしまいました」 そのとき、はじめて妹は泣いた。 一晩中、泣き続けた。 そして、やっと実感した。 兄がこの世にいないことを。