200万vs3000 ギャラップと統計学の秘密(7月27日) 2024 07/27 Updated 2024.07.26 2024 07/27 Published 2024.07.27 / Tera \ この記事を共有 / B! リンクをコピーする 200万vs3000 ギャラップと統計学の秘密(7月27日) Tera B! リンクをコピーする ●今日の「クイズ」は・・・ 1936年のアメリカ大統領選挙。 「暗黒の木曜日」(1929年10月24日)からはじまった世界大恐慌の中、再選を目指す民主党のフランクリン・ルーズベルトと、共和党のアルフレッド・ランドン候補によって争われました。 現職のルーズベルト大統領は力不足。 世論調査において当時最も信頼されていた「リテラリー・ダイジェスト」200万人以上のサンプルから、共和党ののランドン候補が57%の得票を得て当選すると予想しました。 一方、前年に世論調査業界に参入したのジョージ・ギャラップが率いる「アメリカ世論研究所」は、わずか3000という少ないサンプルで、ルーズベルト候補が54%の得票を得て当選することを予想したのです。 そして、実際勝ったのは、ルーズベルトでした。 さて、それは、どうして? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●答え 「リテラシー・ダイジェスト社」のサンプルの集め方が偏っていたため、間違った判断をしたのです。 「ギャラップ」はその点、「割り当て法」という抽出法を使って偏りなくサンプルを集めていました。 7月27日は、ギャラップの創業書、ジョージ・ホレース・ギャラップ(George Horace Gallup)の命日(1984年没)です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●このお話、どう「いかし」ますか? 実際、調べてみると、 リテラリー・ダイジェストは、自誌の購読者を対象に、自動車保有者と電話利用者の名簿を使って1000万人の対象者に郵便を送り、返送された200万人以上の回答を積み上げていたのです。 ようは、裕福な人だけが対象だったのです。 これに対して、市場調査の経験から世論調査の世界に参入したギャラップは、標本の偏りをより少なくする科学的な抽出方法を用いたのです「割り当て法」。 元がだめだと、いくら加工してもダメ。 これって、何事においても同じだなあと思いました。 統計学。 合理性と直観。 人の心は複雑です。 そんな領域に興味をお持ちなら、この本は、バイブルです。 「ファスト&スロー」(文庫本上下) ダニエルカーネマン(経済学のノーベル賞を受賞した認知心理学者)著 詳細はこちら